大学でのiPad活用法【2023年版】
この投稿は KuMA Advent Calendar 2023の11日目の記事として書いています。
今年の11月、九州PCカンファレンス in 九州大学に参加してきました。
大学生協の九州ブロックが主催しているイベントで、小中高の教員や学生、企業の方々が集まって教育にまつわることを議論するイベントです。
私は今回、お世話になっている生協の職員さんからの依頼で「普段の大学生活でiPadなどのデバイスをどうつかっているかを講演してほしい」と言われました。
そこで話したことを中心に、イベントの一部様子を書き残しておきます。 画面右側にインデックスがあるので適宜活用してくださいね。
講演
今回は「iPadは欠かせない相棒」みたいなテーマで話をしました。
講演でつかったスライドを貼りつつ、どんなことを話したのかを振り返ります。
大学の授業でのデバイス活用
私は大学の授業を受けるとき、教科書などの紙テキストを左に、iPadを正面に置いていることが多いです。 これは特にこだわりとか理由とかがあるわけではなく、「右利きのひとは左に資料を、右に書くものを置く」という小学校の頃の書写の時間に習ったようなことをずっと実践しているだけですが。
ところで、そもそも何故iPadをつかってノートを取っているかというと、以下のようなメリットを感じているためです。 大学に入ってばかりの頃はルーズリーフ+バインダーでノートを管理していた時期もありましたが、うちの学科の授業はターム制ということもあり、そこそこの頻度で授業が切り替わります。
ノートをデジタルで管理すれば、授業ごとにフォルダ分けも容易ですし、ノートを持ち歩くことによる折れや汚れの心配もなくなります。
加えて、GoodNotesであればGoogle Driveなどのクラウドにバックアップもできるので便利です。
GoodNotesの話題を少し広げますが、ノートを取るiPadでは私は3つの方法を使い分けています。
1.全画面でノートを広げる
これは紙のノートと同じような使い方です。画面を一番広く使えるので最も使うスタイルです。
2.資料を横に広げる
iPadの機能で画面分割ができるので、それを使ってPDFやWebページの資料を横に広げます。しかし、正直なところ11インチ程度のiPadの画面では書き込むスペースが小さくなって辛いので、あまりこのスタイルは使いたくないです。
3.資料に直接書き込み
配布されたPDFファイルやスキャンしたプリントに直接書き込むスタイルです。iPadの特長を活かしている方法とも言えるかもしれません。
iPadOSの機能の活用 - 集中モード
授業中や勉強のときには、iPadの「集中モード」というものを活用しています。
これを使うと、あらかじめ用意しておいたホーム画面だけを表示したり、許可したアプリ以外の通知をカットしたりと、勉強に集中するための環境をワンタップで設定できます。
デジタル端末をつかって勉強していると、どうしてもSNSや動画サービスなどに気を取られてしまいますが、これを使えば多少はそういった誘惑からも逃れられる気がします。
愛用しているアプリ
普段つかってるアプリの紹介です。だいたいスライドの中に書いてるので割愛。
iPadを使って思うこと
iPadで勉強をしていて感じることです。
まず、iPadはどうしても生産性という面ではPCには追いつけないように感じます。 先ほど画面分割は不便という話をしましたが、やはりiPadの基礎はスマホであるiPhoneであるため、一度にひとつのアプリを使うのが最適なつくりになっています。
iPadでもドキュメントや画像編集がいじれるとはいえ、PCのようにウィンドウを広げたりショートカットキーを使ったりする効率的な作業はできません。
しかしながら、スマホと比べれば画面を大きくしつつ持ち運びやすさもそこまで損なわれていないため、携帯性という観点では分があるように思います。
また、iPadでノートを取っていると、各種ツールの補助もあって綺麗に書くことはできるのですが、裏を返せば素早くどんどん書いていくというのは難しいです。
意外と見落とされがちな点ですが、Apple Pencilを使ったとしてもシャープペンシルの精密さには到底かなわないため、画面の拡縮の手間が生じることもマイナスポイントになり得ます。
問題演習のようにどんどん書いていくことが重要 = 内容の綺麗さは問わない場合には、まだまだ紙に書いていくほうが私は好きです。
ChatGPTの活用
この内容は、実は依頼元のひとから「ぜひChatGPTをどう使っているのかも話してほしい」と頼まれたので急遽入れたものですw
私自身もまだ使い方を模索しているところなので、現時点でどう活用しているかという話になります。
1.アイデアの創出や発展
なにかを作りたいときや自分のアイデアを広げたいときに、別の視点をもつという目的で使うことがあります。画像はまさに今回の講演のことを訊いていますが、聴衆としての立場を想定してもらって回答するように指示しています。
2.プログラムの記述
主にこちらの使い方が多い気がします。ChatGPTはプログラムを書くことは結構得意な印象があります。学習データが偏ってるのかな?
簡単な事務処理やUnityのスクリプトを書いてもらえますし、自分が書いたプログラムをそのまま貼り付けて問題点や改善点を教えてもらうこともできます。 自分のプログラムをそのまま見てもらうというのは、単なる検索ではできないことなので、ChatGPTならではなのかなとか思います。
そういった利点はあるものの、もちろん課題となるところもあるように思います。
たとえば、自身の専門である工学系の分野の質問をすると、かなりの頻度でテキトーなことを返してきます。これに関しては今まで通り検索や文献を漁るほうが良いと思います。
また、ChatGPT (GPT-3.5) は2021年までの学習データしかないため、最近の技術についてはアテになりません。UnityでいうとAR Foundationsまわりの情報は全然ない印象です。
イベントの様子
PCカンファレンス (PCC) では、生協と関連のある企業さん方が製品を展示しています。
教育向けの内容が多く、iPadなどを手掛けるAppleや電子部品を扱うDigiKeyなど有名どころもたくさん出展していました。
これは株式会社アスクさんが販売代理店を務めるHTC VIVEのXRヘッドセット「XR Elite」です。Quest2と同程度の性能を持ちつつも、グラス感覚で装着できる軽さやフルカラーパススルー解像度の高さ、ハンドトラッキングの精度が素晴らしかった。なお18万円ほどするそうで……。
各社の担当者さんともお話ができ、楽しい場でした。
私が参加したセッション以外にもさまざまなトークセッションがあり、大学生協が主催しているPC講座についての話や大学教員がChatGPTを授業で活用している話など、興味深い話も聞けました。
イベントの最後には懇親会として立食パーティも開かれました。
九州各地の味覚が楽しめました。かしわ飯おにぎり美味しかった!
最後に
大学生協が主催するイベントということでどういうものか全然わからないままの参加でしたが、いざ行ってみれば楽しかったよというお話でした。
iPadの活用法の講演についてはもうちょっと深い話ができたのかなぁと思う部分もありますが、まあ現時点ではこのくらいということで。
またいつかこういった話ができる場があると嬉しいです。